ジュエリーを長く使うには?地金ごとに違う最適なお手入れ方法

身につけるだけで幸せな気分になり、上品な輝きで背筋が伸びる。ジュエリーにはそんな不思議な力があるのです。大切なジュエリーほど、いつまでも新品同様の輝きを保ちたいものです。
しかし、どんなに丁寧に手入れをしても、適切なケアをしなければ、ジュエリーの輝きは鈍くなってしまいます。とはいえ、ジュエリーのお手入れをこまめにプロにお願いするのは難しいですよね?
そこで今回は、ジュエリーの素材である「地金」の種類によって、家庭でできるお手入れ方法をご紹介します。ジュエリーの性質に合わせたお手入れをすることで、いつまでもその輝きを保つことができるはずです。

ジュエリーの地金には定期的なお手入れが必要

ある日ふと見ると、お気に入りのジュエリーの金属部分が黒く変色していた・・・という経験はありませんか?
このような変色の原因は、金属が汗や皮脂、化粧品、空気中の酸素と反応して起こる化学反応と考えられています。指輪やネックレスなどのジュエリーの地金は、どうしても肌に触れてしまうもの。日頃のお手入れで、こまめに汚れを落とすことが大切です。

使う頻度によって必要なお手入れの頻度も変わる

毎日身につけるジュエリーと、あまり身につけないジュエリーとでは、クリーニングの頻度が異なります。毎日使うジュエリーは、身につけるたびに拭くだけでなく、1週間に1回程度、着用頻度が低くても1~2ヶ月に1回程度はクリーニングをすることをおすすめします。
また、ジュエリーをいつまでも大切にしたいのであれば、1年に1度はプロにクリーニングを依頼することをおすすめします。購入したお店に持ち込めば、無料でクリーニングしてもらえる場合がほとんどですので、まずはお店に確認してみてください。

お手入れの方法はジュエリーの地金ごとに異なる

ジュエリーのお手入れの基本は、着用後に専用のクロスでさっと拭くことです。これが美しい輝きを保つための第一歩です。また、金属の特性によって、特別なお手入れ方法が異なります。
ここでは、地金の種類ごとに効果的なお手入れ方法をご紹介します。

イエローゴールドの場合

純度の高いイエローゴールドの場合、ほとんどの汚れは専用のクロスで拭くだけできれいになります。メガネ拭きのような柔らかい布でも構いませんが、専用の布やセーム革を使うと、油分をしっかり落とすことができます。 クロスで落ちない汚れや黒ずみは、ぬるま湯で薄めた中性洗剤や専用クリーナーに数分浸けておきます。その後、きれいにすすぎ、柔らかい布で水分を拭き取り、自然乾燥させればクリーニング完了です。数分浸すだけでも、変色を取り除き、新しい輝きを取り戻します。
また、汚れがある場合でも、洗浄の際に強くこすらないように注意してください。新たな傷の原因になったり、美しい黄色が変色してしまったりすることがあります。どうしても落ちない汚れは、無理に落とさず、プロの手にお任せください。

ピンクゴールドの場合

ピンクゴールドは、金(ゴールド)に多量の銅を混ぜて赤味を出した金属です。銅は非常に酸化しやすい金属であるため、ピンクゴールドは金よりも変色しやすいです。デリケートな素材であることを理解し、柔らかい布でこまめに拭くことが大切です。
汚れた場合は、イエローゴールドと同じように中性洗剤でお手入れしてください。この時、銅は特に水分に反応して変色するので、濡れたまま放置しないように注意が必要です。また、家事やプール、温泉など水に濡れるような場面では、こまめに身につけることが大切です。

シルバー(銀)の場合

銀は光沢があり、加工しやすいのが魅力ですが、放っておくと黒ずみやすい性質があります。これは空気中に含まれる硫黄や汗に反応する硫化が原因と言われています。
使用後は汗や汚れが付着しますので、柔らかい布で拭き取り、水またはぬるま湯で洗い流し、水分を拭き取るなどのお手入れを必要とします。保管する場合は、空気中の硫黄と反応しないように、小さな袋やケースに入れるか、布に包んで保管するとよいでしょう。
万が一、黒く変色しても慌てる必要はありません。重曹とお湯があれば、簡単に新品のような輝きを取り戻すことができます。
耐熱容器にアルミホイルを敷き、熱湯3に対して重曹1を混ぜたものにシルバージュエリーを沈めます。熱湯が冷めたらジュエリーを取り出し、流水で洗い流し、水分を拭き取ります。
また、拭くだけで黒い汚れが落ちるポリッシングクロスなど、専用のケア用品も充実していますので、ジュエリーを購入した際に一緒に購入することをおすすめします。

プラチナの場合

結婚指輪に使用される高純度のプラチナは、基本的に変色・変質しにくい素材です。そのため、お手入れも簡単で、メガネ拭きや専用のクロスで拭くだけで、白く美しい輝きを維持することができます。汚れがひどい場合は、イエローゴールドのジュエリーと同じように中性洗剤で洗うことができます。
ただし、プラチナは非常に柔軟性があり、変形することがあります。掃除の際はこすらないようにし、引っ越しなどの力仕事や、強い薬品を使う家事の際は外してください。

ジュエリーをお手入れする上で注意すべき点

ジュエリー本来の美しさや輝きを保つためには、定期的なお手入れが欠かせません。しかし、ジュエリーの性質によっては、お手入れをしてはいけないもの、お手入れの際に気をつけなければならないことがあります。

宝石がついている場合は特性を考える

一般に、ジュエリーに使用される宝石の中には、デリケートな取り扱いを必要とするものがあります。衝撃に弱いエメラルドや、水に弱い真珠(ナクレ)などはその代表格です。このようなジュエリーは、柔らかい布で優しく拭いてあげるとよいでしょう。
一方、ダイヤモンドのように、地金だけのジュエリーと同じようにお手入れできるものもたくさんあります。宝石を使用したジュエリーを購入する際は、必ずお店の人に宝石の特性を確認してください。

表面加工がある場合は地金のみの場合と異なる

シルバージュエリーは、研磨剤入りの布で磨くと、変色を取り除き、光沢を取り戻すことができます。しかし、ジュエリーの中には地金の表面に仕上げを施しているものがあることをご存知ですか?
華やかさを演出する金メッキや変色を防ぐロジウムメッキなどです。このようなジュエリーを研磨剤で磨いてしまうと、メッキが剥がれてしまい、ジュエリー本来の機能や美しさが失われてしまいます。
なお、地金の素材が銀でも、表面処理の種類によっては、より丁寧な処理が必要なものもあります。

セルフクリーニングはリスクもある

セルフクリーニングは、自宅で気軽に行えるというメリットがある一方で、リスクもあります。
まず気をつけたいのは、掃除中にジュエリーを排水口に落とさないこと。洗浄用の洗面器やボウルを用意し、水から少し離しておくことをおすすめします。
また、宝石のついたジュエリーを洗浄する場合、石や小さなパーツが取れてしまうケースもあるようです。長く使っているものや繊細な作りのものは、なるべくプロにお任せください。

超音波洗浄は爪が緩む原因になる

ジュエリー好きの方の中には、自宅に超音波洗浄機をお持ちの方も多いと思います。しかし、宝石を取り付けたジュエリーの場合、超音波洗浄の振動でツメが緩み、宝石が取れてしまうことがあるので注意が必要です。 ツメが取り付けられているジュエリーはとても繊細で、時間が経つとツメが緩んできます。その意味でも、定期的にプロの手でジュエリーをメンテナンスしてもらうことが大切です。

大切なジュエリーを長く使うために、普段の取り扱いに気を配ろう

ジュエリー本来の輝きを保つためには、日頃のお手入れが大切です。プレゼントや記念品など、思い入れのあるジュエリーほど、長く身につけたいものです。ジュエリーに使われる素材や宝石の特性を理解し、適切なお手入れをすることが大切です。
丁寧に手入れされたジュエリーは、一緒に過ごす時間に比例して愛着が増していきます。ぜひ「日々のお手入れ」を楽しんでください。
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