ジュエリーに使われる地金の違いとは?用途別に素材を解説!

ジュエリーを選ぶとき、素材となる「地金」はデザインに大きな影響を与えます。普段使いのジュエリーも、婚約指輪や結婚指輪などの「特別なジュエリー」も、地金がどんな素材でできているかで、華やかさや印象が違ってくるのです。
今回は、地金の種類をご紹介します。また、パッと見ただけではわからない違いもじっくりと解説していきます。

ジュエリーにおける「地金」とは?

地金というと、金塊のようなものを思い浮かべるかもしれません。しかし、ジュエリーにおける「地金」とは、原材料となる貴金属のことを指します。金、銀、プラチナなどが一般的に地金として使われます。
また、地金だけで作られたジュエリーは、シンプルな美しさで人気があります。

地金となる金属には条件がある

世の中にはさまざまな金属がありますが、指輪やネックレスなどのジュエリーの地金として使えるのは、限られた金属だけです。
その条件のひとつは、「加工しやすい柔軟な金属」であること。これは、繊細なデザインや細工が施されたジュエリーに欠かせない要素です。
もうひとつの条件は、もちろん「金属アレルギーを引き起こさない金属」であること。せっかく気に入ったジュエリーを買っても、身につけられないのでは意味がありません。お店で試着したときは大丈夫でも、汗や皮脂で赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。心配な方は、購入前にパッチテストを受けましょう。

地金として用いられる代表的な貴金属

では、ジュエリーに用いられる地金は、実際にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは種類別にその特徴をご紹介していきます。

イエローゴールド

ジュエリーの地金として、世界中でもポピュラーなのがイエローゴールドです。時代や国を問わず、様々な装飾品に用いられてきました。現在でも、手ごろなアクセサリーからハイジュエリーにまで、幅広く使用されています。
イエローゴールドの一番の特徴は、なんといっても一目でわかる明るくゴージャスな輝きです。ブライダルやパーティーなど、社交的な場で身に着けるアクセサリーはもちろん、カジュアルなファッションにもさらりと馴染むため、使い勝手の良い素材と言えるでしょう。
ただし純金は非常に柔らかく、ジュエリーとしての耐久性に欠けてしまいます。そこでジュエリーの地金はゴールドをベースに、銅や銀をバランスよく混ぜた金属が用いられます。この配合率によって、ゴールドの色合いが変わってくるのです。
同じイエローゴールドでも、ジュエリーによって色合いが微妙に異なるのはこのため。実際に身に着けてみて、自分の好みの色合いのものをチョイスしましょう。

ピンクゴールド

ゴールドを地金として加工する際、金以外に銅を多めに配合すると、淡く赤みがかった優しい色合いの金属ができます。これがピンクゴールドの地金になります。
ピンクゴールドのジュエリーの特徴は、他にはない優しい色合いです。日本人の肌色にも馴染みがよく、温かく優しい印象を演出できます。
イエローゴールドほどの高級感はありませんが、さりげなく手元や首元を華やかに見せてくれるため、近年女性からの人気が高まっている素材です。日本のブランドだけでなく、海外のハイブランドのジュエリーにも、ピンクゴールドの地金が数多く使われています。
また、銅を多く混ぜているため、イエローゴールドより強度が高いのも特徴です。銅の含有量をさらに多くすると、赤みが強いピンクになります。こうするとゴールドの割合が低くなり、価格帯が下がる一方で、変色しやすくなることも覚えておきましょう。

シルバー(銀)

シルバーは、古くから通貨や装飾品に使われてきた金属です。食器にも使われてきた歴史があり、金属アレルギーを起こしにくいという特徴があります。
金やプラチナに比べると圧倒的に価格が安いため、若者向けのアクセサリーなどによく用いられます。ボリュームのあるアクセサリーは通常、金属の量が多いため値段が高くなりがちですが、シルバーアクセサリーはその心配がありません。
明るく強い輝きが目を引く一方で、放っておくと黒く変色してしまうのがデメリット。それを逆手にとって凹凸のあるデザインにすることで、黒ずんだ部分と光っている部分のコントラストを楽しむこともできます。

プラチナ

シルバーと同じ白銀色ですが、比べると深みのある白い輝きが特徴のプラチナ。
熱・酸・アルカリなどに強い性質があるため、変色しにくく、日常的に身に着けていても長くその美しさを楽しむことができます。
他の金属を混ぜることで強度が高まるため、耐久性にも秀でた素材です。また、柔軟性に優れた金属でもあるため、繊細な加工のジュエリーに適した地金と言えます。ほかの地金に比べるとデザインの幅が広いため、「選ぶ楽しみ」も大きくなるでしょう。
また、プラチナは「宝石本来の輝き」を最も引き立たせる素材だと言われています。特にダイヤモンドとの組み合わせは、互いの魅力を高め合うとされており、非常に人気の取り合わせです。
プラチナは世界でも産出量が少なく、希少価値が高いため、高額になってしまうのが唯一のデメリット。しかし、それ以上にメリットの多い素材と言えるでしょう。

ブライダルジュエリーとファッションジュエリーにおける地金の違い

ここまで地金の特色について紹介してきましたが、どの地金にもメリット・デメリットがあるもの。ここからはジュエリーの「目的」別に、地金の色・性質などの違いを紹介していきます。

ブライダルジュエリーでよく使われる地金

ブライダルジュエリーにおいて、日本で最も選ばれている地金はプラチナです。
プラチナの持つ白い輝きが「純粋・純白」を現す花嫁の色を連想させるのが、その理由の一つ。また、変色・変質しにくいというプラチナの特徴が、いつまでも変わらない「永遠の愛」を象徴するからとされています。
価格がネックになりがちなプラチナですが、ブライダルジュエリーはパートナーとの「結婚の証」として身に着けるもの――いわゆる「一生モノ」の買い物。資産価値が高く、お手入れしやすく、デザインにも大いにこだわれるプラチナが選ばれやすいようです。
一方、海外ではプラチナのほか、華やかなイエローゴールドのブライダルジュエリーもよく選ばれています。日本でも男性がプラチナ、女性がピンクゴールドなど、カラー違いで揃えられることも珍しくありません。
ゴールドのブライダルジュエリーは、純金(K24)だと柔らかく、普段使いできないため、「K18」と呼ばれる金属を使用します。これは、75%が金、25%を銀や銅などの金属を混ぜ、強度を高めたものです。傷や変形の心配がなく、一般的にプラチナよりも安価であるのが特徴です。

ファッションジュエリーでよく使われる地金

ファッションジュエリーは、その名の通りファッションやお洒落を優先してデザインされたジュエリーです。比較的安価に、日々のコーディネートやその時のトレンドを楽しむもののため、何十年も身に着けられるような耐久性は考えられていません。
シルバーは安価で強度もある一方、時間が経つと黒く変色する性質があります。ファッションの流行は数年で入れ替わるため、洋服のように買い替えのきくシルバーが地金としてよく使われているのです。
また、「K10」と呼ばれるゴールドの含有量が低い金属も、ファッションアクセサリーの地金としてよく使用されます。ブライダルジュエリーに使われる「K18」よりもリーズナブルでありながら高級感を演出できるため、人気の素材です。

意味合いや価格など、用途のニーズに合わせた地金を選ぼう

地金はジュエリーの価格やデザインを大きく左右するため、目的に合わせてピッタリのものを選ぶことが重要です。
結婚を誓うためのジュエリー、大切な人にプレゼントするジュエリー、自分だけの個性を楽しむジュエリー…。あなたのニーズがどんなものであるか、まずはお店へ足を運んで相談してみることをオススメします。
定番の素材だけにこだわらず、あなただけの特別なジュエリーを見つけましょう。
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